Section 2.1 記号と式
数学で扱う記号には、\(0, 1, -2, 0.1, \sqrt{2}, \frac{2}{3}\)などの数(すう)(number)や、\(x, y, z, a, b, \alpha, \beta, \pi\)などの文字、\(+, -, \times, \div, =, >\)などの演算子(えんざんし)(operator)などがある。
文字には、その文字に対応する数があり、この数を値(あたい)(value)という。 文字は値が定まっているかによって、変数と定数に分けられる。 方程式で用いる\(x, y\)などのように、その文字に対応する値が未知である文字を、変数(variable)という。 一方、円周率\(\pi = 3.1415 \cdots\)のように、その文字に対応する値が定まっている文字を、定数(ていすう)(constant)という。通常の数も値が定まっているので、定数の一種である。
数学の基本的となる演算には、加法・減法・乗法・除法がある。 このうち乗法については、記号\(\times\)を省略し、\(2 \times x \times y = 2xy\)と表記することが多い。 乗法を省略して書くことから分かるように、数学では乗法で繋がれたまとまりを基本的なまとまりとして扱うことが多く、これを項(term)と呼ぶ。
定義 2.1. 項.
1つ以上の数と文字が乗法で繋がれたものを、項(term)という。例えば、数や文字のみの\(0, 0.1, a, \pi\)は項である。 また、数と文字が掛けられた\(2a, -abc, \sqrt{2}xy\)も項である。