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Section 3.4 情報の主観性

符号化や復号に主観性があるため、情報についても主観性があるといえる。

例えば、2.3節の例で、漢字が読める\(A\)さんと\(B\)さんに加えて、漢字を読めない\(C\)さんがいるとし、この3人が同じ「菖蒲」という漢字を見たとする。 「菖蒲」の文字を見て、\(A\)さんは「ショウブ」、\(B\)さんは「アヤメ」を思い浮かべるが、\(C\)さんは漢字を読めないので、字面以上の何も思い浮かべることはできない(\(d_C(\text{菖蒲}) = \varepsilon\))。 このとき、\(A\)さんと\(B\)さんはこの表現を復号して内容と対応づけられるので社会情報だが、\(C\)さんにとっては機械情報である。 \(A\)さん、\(B\)さん、\(C\)さんにとっての情報を図に示すと、それぞれ図3.9、図3.10、図3.11となる。

3.9. \(A\)さんにとっての「情報」
3.10. \(B\)さんにとっての「情報」
3.11. \(C\)さんにとっての「情報」