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Section 1.2 情報学を学ぶ目的
情報社会では、すべての人々が情報について学び、誰もが情報に対する正しい認識を持ち、適切に情報を扱えるようにする必要がある。 その上で、“問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果的に活用し、情報社会に主体的に参画”[7]することが求められる。 社会の現状に対して自ら明確な問題意識を持って能動的に行動し、自らの手で社会をよりよく変化させ、社会を持続可能な形で発展させることに貢献する、これが“社会に主体的に参画”するということである。
特別な経験や能力、出自などを持つ一部の人間だけではなく、誰もが情報社会に主体的に参画できるためには、情報を扱う科学(science)、即ち情報学が必要である。 日本学術会議[6]は情報学(Informatics)を、“情報の生成・探索・表現・蓄積・管理・認識・分析・変換・伝達に関わる原理と技術を探求する学問”と定義している。 また、情報学の目的を“情報によって世界に意味と秩序をもたらすとともに社会的価値を創造すること”としている。 誰もが理解し活用できる、十分に客観的な知識の体系を提供するため、情報学は“情報と対象、情報と情報の関連を調べることにより、情報がもたらす内容や秩序を探求”している。