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Section 6.1 複雑性と問題

人間の周囲に存在する現象や対象には、その原理や性質が未知のものが数多く存在する。 こうした未知のものは、原理や性質が明らかでないという意味で、複雑(complex)である、または複雑性(complexity)があるという。 複雑性のないものは、既に原理や性質が明らかになっているという意味で、単純(simple)であるという。

複雑な対象に対して説明を与え、未知の対象を理解できるようにすることで、人間は周囲の世界に対する理解を深め、より良い生活を送ることができる。 そのため人間は、未知の対象が存在することを「問題」とみなして分析の対象とし、分析により得られた、世界の現象を説明する知識の全体を科学(science)と呼んだ。