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Section 6.2 問題の定義

ここでは、Simon[55]による問題の定義を示し、図6.2に、問題とその解の関係を示す。

定義 6.1. 問題.
目標とする状態(To-Be)と現在の状態(As-Is)の間にがあるとき、この差を問題(problem)という[55]現在の状態から目標とする状態に至る方法を見つけることを問題解決(problem solving)といい、この方法をその問題の(solution)という[56]
6.2. 問題の定義

問題に対する解は一つしか存在しないとは限らず、複数存在することもある。 そのうち一つでも解を発見できれば問題解決は達成されるが、簡単に見つかる解は実行に非常に長い時間を要したり、膨大な資本が必要となったり、実現が困難であることが多い。 多数ある解のうち、より効果的で実現できる解を見つけることが重要となる。

一般的な問題解決は、次の手順で行われる。 但し、常にこの順番で進むわけではなく、各段階において、前段階で行う内容が不十分だと分かった場合には、必要に応じて1つ以上前の段階に戻ることがある。

  1. 問題定義(problem definition): 対象とする問題の目標とする状態現在の状態を明確かつ簡潔に示す。

  2. 現状の調査(investigation): 問題が現在どのような状態になっているかを、具体的に調査する。

  3. 構造分析(analysis): 問題における諸要素の関連性(構造)をモデル(model)として明示し、目標とする状態と現在の状態に差がある原因を明らかにする。

  4. 解の提案(proposal): 明らかになった問題の原因を取り除くアイデア提案する。