Section 7.5 モデル
Wilson[91]によれば、モデル(model)とはある人のある状況に関する明示された解釈である。 また、モデルを作成することをモデリング(modeling)という。
定義に“ある人の”とあるように、モデルには状況の解釈を行う人間が存在している。 モデルは、その人間の意思に基づいて、現象をある特定の側面から分析したものである[92]。 即ち、モデルは唯一絶対のものではなく、解釈する人間が現象のどの部分に意味を見いだすかによって現象の本質は変化し、できあがるモデルも変化する。
構造を示すモデルを表現するためには、文章よりも図を使うのが適当である。 一般的には、要素を実体として四角や丸などの図形で表し、要素間の関連を、実体を結ぶ矢印などの線で表現する。 図の標準規格としてはUnified Modeling Language[93]などが知られているが、分野やモデルの種類により、様々な種類の図が使われる。